今,読書会で『霊枢講義』を読んでいるというのは,医古文の基礎の手習いのつもりらしい。だから校勘学とか訓詁学とかの基礎の基礎の用語がどういった内容なのかが主になる。例えば前回の例でいえば,鍉針の鍉を,渋江抽斎は鏑矢の鏃だといっているようだけど,何を根拠にしてなんだろうか,それは信用できるんだろうか,というようなことを詮索している。鏃みたいな尖だと何かいいことあるのかね,は附録のようなもの。長針は鋒利身薄というけれど,薄いってようするに薄っぺらいんでしょう,他に解釈のしようはあるのかね,です。薄い針って平らにはわせて入れるのに適するんかねとか,逆に深く入っちゃうんでないのとか,まあそんな程度には実用的です。
普通に『霊枢』を読み進めたいということについては,実は全篇についての解説が,内部資料として配布されています。だから,勝手に読んでね,求められれば説明はするからさ,という態度です。本当は「よくわかる黄帝内経の基本としくみ」の『霊枢』版がほしいんだけど,今かったるくてやる気がしないんだそうです。「よくわかる黄帝内経の基本としくみ」はかなり短時間に一気呵成に書き上げたらしいけれど,それはそういうきっかけと編集者の後押しによったもので,今はそういう気分じゃないらしい。けれど,内部資料を読んで,やいのやいのと疑問をぶつけていれば,なんかのはずみで火が点くかもしれない。
『甲乙経』を読み出したのは,どういった症状にはどのツボが,という程度には臨床的に実用的なこともやるべきかなあ,とあせってのことらしいけど,今のところは海のものとも山のものとも……。どうなることやら。
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