「読書会ではどのようなことをしているのか」を,広く知っていただくために活動報告(実施記録)を載せることにしました。
以下は4月の読書会の報告です。
1.『針灸甲乙経』黄龍祥「導読」の閲読
『針灸甲乙経』黄龍祥 整理(人民衛生出版社,2006)の「導読」を途中まで(別ブログ掲載の翻訳(4)まで)閲読。残りは各自で翻訳を参考に読む。
【話題】
・編者は本当に皇甫謐なのか?(真柳説)
・「甲乙」は「䆘穵(孔穴に針を刺す)」という浦山説
・「甲乙経」の腧穴分類法,帰経と「脈気の発する所」
・『素問』厥論、陽明脈解の“脈厥”に対する『甲乙経』編者の理解と注釈(“厥逆”“脈厥”=“脈動”で,すべて脈診病候である)。
2.2014年度読書会の予定
(1)『針灸甲乙経』を読む
医学六経本を底本にし(電子文字化されたものを印刷して用いる),『針灸甲乙経校注』(張燦玾ら編)、『針灸甲乙経』(黄龍祥 整理)、『黄帝三部針灸甲乙経』(李雲重校)などを参考にして,いわゆる四部構成を解明して文字の誤りを正す。
進行順や方法は,数回やってみてから検討する。
次回5月は,新校正序、皇甫謐序、序例(『鍼灸医学と古典の研究』に丸山先生の和訓注解あり)
(2)渋江抽斎「霊枢講義」を継続して読む(30~60分)。
3 件のコメント:
>医学六経本を底本にし(電子文字化されたものを印刷して用いる)
なんでそんな妙なことをするかというと,医学六経本が最善本(比較の問題に過ぎませんが)といっても,持っているのはコピー本で,それをさらにコピーしたんでは,コピーのコピーで(本当は,持っているコピー本自体,コピーのコピーのコピーくらいの状態),文字すらろくに見えない。それと,電子文字化されたものを周囲をゆったりと印刷すれば,ノート代わりに書きこみやすい。
なんせ,諸先生がたこぞって「まともなテキストが無い!」と嘆かれる本ですから,なんやかやメモしながらでないと読めそうに無い。
なんで『甲乙経』?
腧穴のことを勉強しようか?!なんだけど,どうせなら源の『明堂』といいたいところだけど,そんなものまともに残ってない。で,「比較的」まともに残っている『甲乙経』かなあ,です。だから,最初の総論にあたる何巻かは駆け足したい,けど,なにせ構造もはっきりしない本だから,結局はたどたどしく躓きながらになるかもしれない。まあ,そのへんはやってみないことには……。
『霊枢講義』を読んでいます。『霊枢』を読んでいるわけじゃない。微妙なところだけど,考証学派の書物とはどんなものなのかを気に掛けて読む。言い換えれば,医古文の基礎的な勉強として読む,つもりだったはずです。そこんところを再確認して読み続けます。気になるところでは,やっぱり普通に,どういうことだ!?で立ち往生するでしょうが。
『甲乙経』を読むのがしんどいのは,どこまでが皇甫謐が作ったものか,が分かりにくいから。(そもそも,本当に皇甫謐が編者なのかが怪しいんだけど,仮にそうだとして,ということ。)『素問』の場合と比べていえば,王冰が次注して,林億らが新校正をしたことは,まあわかる。どこまでが王冰の,とか,ここらは林億らの,とかまあわかる。『甲乙経』はそこらが全くあてにならない。
『霊枢』は,微鍼を以て経脈を通ずれば病を癒やすことはできる,という宣言でまとめた。『難経』は,脈を診れば病のことは何でもわかるとした。『素問』は,……天地に則って養生すれば病になんかならないという。『素問』や『霊枢』は,いろんな人がごちゃごちゃいったのを集めたものだから,特に後半は各篇ごとに独立したものとして読めばいいのかもしれない。『甲乙経』は? 編者のつもりとしては,鍼灸治療の全てを網羅した教典(教科書)なんだから,各論の前に総論をちゃんと読まなきゃいけないんじゃないか,いや,『素問』『霊枢』の部分はそれぞれでいいかげんもう読んでいる,はずだから……,というわけで,どうすすめるかは試行錯誤,になりそうというわけ。
昨日はお疲れさまでした。
早速の書き込みご苦労様であります。
追加補足でありますが、(2)渋江抽斎「霊枢講義」は、限られた時間を有効に使うために、会員専用ブログ(裏ブログ)をより有効活用願います。
なお、先月、今月と貴重なデータ配布がありました。本年度より各種データは定例会日に、参加会員のみに記憶媒体でお渡ししております。
※当会は、会員専用ブログがメインブログとなっておりますので、一般の閲覧者様にはわかりにく内容になっているかもしれません。御容赦願います。なお、参加意欲のある学生さんはいつでもご連絡下さい。
コメントを投稿