2014年4月21日月曜日

『針灸甲乙経 校釈』

 過去の投稿(メインブログ 2014年2月17日,2014年4月1日)や昨日の読書会で,いくつかの本を紹介いただきましたが,そういえば『針灸甲乙経 校』(山東中医薬学院,人民衛生出版社,1979第1版,2009年第2版)の名前が出てないような気がします。
 手持ちの第2版をみると,「第2版前言」はないため,たぶん第1版から内容は修正していないのではと思います。そうするとかなり古いものとなるわけですが,底本などは『校』と同じだと思います。
 内容は,〔提要〕〔原文(簡体字)〕〔校勘〕〔注釈〕〔語訳〕で構成されています。私にとっては,〔語訳〕があることは非常に助かります。
 中医古籍整理叢書では,『素問』などいくつかの書は「校注」と「語訳」との両方があります。『針灸甲乙経 校』と『校』は,主編者,出版社ともに同じですから,実質 対になるものと考えていいのではないでしょうか。ただ『校』に比べ,張燦玾氏の見解が強く反映されているのかもしれません。

 参考に「日本の古本屋」で検索すると,『針灸甲乙経 校』上下はないようですが,『針灸甲乙経 校』1979年版は上下5,000円で出品されています。
 『針灸甲乙経 校』は,昨年から重刊が始まった「中医古籍整理叢書重刊」リストの中に名前がありますから,近日重刊されると思います。

2 件のコメント:

神麹斎 さんのコメント...

校釈と校注+語訳とは,だいたいは同じ人もしくはグループがやった仕事で,校注+語訳のほうがより新しい仕事で,頁数も多いから,こっちでイイや,こっちがイイや,になってました。
『甲乙経』の場合,引っ張り出してみると,校釈(1979年9月)は1500頁ほど,校注(1996年3月)は2000頁ほど。かなり増えているし,言われて気付いたんだけど,校釈には現代中国語訳がついて1500頁だから,実質的にはもっと増えている。校注がゴチャゴチャと詳しいのが良いのか,現代語訳が欲しいのかで,選択がかわるんだろうなあ。『甲乙経』の語訳は出てないし。現代中国でも校釈シリーズは復刊されつつあるみたいだけど,校注シリーズはどうなんだろう。復刊の予定という情報も有るようだが,私は未確認。
てっとり早いほうが人気が出る。別に悪いことじゃない,かも。

神麹斎 さんのコメント...

『針灸甲乙経校釈』の校釈に参加したのは,徐国仟、張燦玾、鐘岳琦、崔新斎、張善忱、田代華、王万傑、張志遠、邵冠勇、曹其旭。責任を負うたのは,あくまでも山東中医学院だったようです。署名は山東中医学院です。
『針灸甲乙経校注』は徐国仟と張燦玾が主編だが,校注説明とか校注後記とかには張燦玾が署名している。
したがって張燦玾の見解を強く反映しているのは『校注』のほうです。

『針灸甲乙経校釈』上下は,第2版と名乗ってますが,今でも普通に買えるはずです。例えば亜東書店に在庫有り,3700円。『針灸甲乙経校注』は未だ見つからない。

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