2012年6月13日水曜日

古い素問を読む

読書会の『素問』校読の順序が不思議、という質問が有りました。

実は、全元起本の順に、読んでいるつもりなんです。
『素問』を開いて、大きな文字が経文、『素問』の本文で、小さい方の字は、王冰や林億らの注釈です。今の本は、唐代に王冰が整理したものを、宋代に林億らがさらに校正したものだ、というわけです。
林億らの仕事を新校正と言います。その中には、王冰が整理する以前の、全元起という人が、注を施した本の様子が記されています。
現在の『素問』は、王冰が整理や修正をやった結果です。篇の順序だって、王冰が置き換えたんです。だから、『素問』についてもっと古いことを知りたければ、新校正の記事をしこしこと読むわけです。
古くは九巻の構成になっていて、だけど、各巻のなかでの篇の順序までは、ほとんど分かりません。そこで、方便として、全元起本の各巻のなかでは、王冰本での順序に従っています。
ところが、標本病伝論の篇題の下には、めずらしいことに、新校正に云うとして、「全元起本を按ずるに、第二巻の皮部論篇の前に在り」とあります。そこで、七月には読めたら二篇くらい読みたいな、と思いながら、標本病伝論とか皮部論、という順序でいっているわけです。

なるべく後世の整理が影響していない、生の『素問』を読みたいと思っているわけです。
だから、参考書としての『太素』にもこだわります。
まあ、幻想ですがね。

『素問』の影印を手に入れたら、先ず最初に王冰注新校正を色分け(?)する、なんてのも好いかも知れない。

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