序例とか本書校文所用善本簡目とか本書校文引各書簡目も大事なんだけれど,それはまたおいおいということで,興味の尽きないうちに直接に上古天真論第一のページを開きます。
本篇说明了古代相传的保精养神的方法;并根拒人体生理上生长衰老的自然规律,提出了古代医学对人体生理的认识。現代中国語です。簡体字です。しんどいですか。でも,说とか规とか对とかなんて,普段使っている漢字と違うことに,そもそも気付かなかったんじゃないですか。相传とか生长とかだって,クイズに強い人だったらたぶん分かる。だから,最初から身を引かずに,眺めていれば,そのうち何とかなります。試しに,上の文章を無理矢理の日本語にしてみてください。けっこう,言いたいことは何となく……,でしょう。こうした点で,我々は欧米人よりはるかに有利です。
本篇では古代から伝えられてきた精神を保養する方法を説明し,あわせて人体の生理上の生長衰老という自然の規律を根拠にして,古代医学の人体生理に対する認識を提出している。そんなにのんびりしてられない,良い参考書はないか,という人には,『季刊内経』に米谷和輝さんが連載している「簡体字講座」をお勧めします。
続いて経文が有ります。もう面倒なので,普段使っている漢字に置き換えて表示します。
昔在黄帝,生而神霊,弱而能言,幼而徇斉,長而敦敏,成而登天。【按】として,この昔在以下の二十四字は,『素問』の原文ではなくて,王冰が増したものじゃないか云々と,郭靄春教授の考えが,証拠立てて示される。つまり,昔この本をはじめてみたとき,こういうのが新鮮でおもしろかったわけです。
そしてまた経文がある。
廼問於天師①曰:余聞上古之人,春秋②皆度③百歳,而動作不衰;今時之人,年半[一]百而動作皆[二]衰者,時世異耶?人将[三]失之耶?今度は【校】として,[一]「年」の下に『千金方』では「至」という字が有るとか,[二]「皆」を『史載之方』では「有」に作るとか,[三]「人将」が『千金方』では「将人」とひっくり返っていると言ってます。つまり,間違った文字は正して読みたいというわけです。そのヒントになるようなことが書いてある。
つづいて【注】として,難しそうな言葉に説明をつける。①天師なんてのは特殊だし,②春秋が年齢のことだとか,③度には過ぎるという意味が有るなんてことは,現代中国人だって知らないおそれがある。
全体として,何を言っているのか分からないという輩も多い。で,仕方がないから【語訳】として,現代語訳を続ける。
どうです。現代中国人だって苦労しているんです。それが当たり前なんです。折角,この世界に興味を抱いたのに,現代中国語を避けたんでは,勿体ないじゃないですか。十年も眺めていれば分かるようになります。先輩との丁々発止が,酒の肴になります。新解釈の一くさりくらいは,ハナ唄まじりです。十年もなんて,それがしんどいのだけど,十年なんてすぐに立ちます。それがまたしんどいんだけど。
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