2012年10月19日金曜日

かなり融通無碍

例えば,肺に癌の有る患者さんが,太股の裏の痛みを訴える。
特殊な偶然と片づけるか,西洋医学での症例を探し出してよろこぶか。それはまあ,人それぞれだろうけど,私は『霊枢』経脈篇の足少陰の脈の流注に「腎から上って肝膈を貫き肺中に入る」を,あるいは『素問』蔵気法時論の肺の病に「尻陰股膝髀腨胻足みな痛む」を見つけて頷くほうなんです。他にも腎と肺の関係なら,『内経』のあちこちに先人の経験の痕を見ます。そんなのを拾い上げては喜んでいる。馬鹿馬鹿しい趣味か,真摯な探索か,判定は如何に。そんなの分かりません。

でも,肺だったら肺経で,だから手の親指側のはず……,なんてのでは如何になんでも知識もなさ過ぎるし,融通が利かなさすぎる。

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