○『針灸甲乙経』
・五藏變腧(2)
・五藏六府陰陽表裏(3)
○トピックス:
「五藏六府陰陽表裏(3)」の蔵の表現が少しずつ異なるのは意味があるのか。
上段 :『甲乙経』五藏六府陰陽表裏(3)
下段 :『霊枢』師傳(29)
肺爲之蓋,巨肩陷咽喉,見於外。
肺爲之蓋,巨肩陷咽,候見其外。
心爲之主,缺盆爲之道,䯏骨有餘,以候内𩩲骬。
心爲之主,缺盆爲之道,䯏骨有餘,以候𩩲骬。
肝爲之主將,使之候外,欲知堅固,視目小大。
肝者主爲將,使之候外,欲知堅固,視目小大。
脾主爲胃(衞),使之迎糧,視唇舌好惡,以知吉凶。
脾者主爲衞, 使之迎糧,視脣舌好惡,以知吉凶。
腎者主爲外,使之遠聽,視耳好惡,以知其性。
腎者主爲外,使之遠聽,視耳好惡,以知其性。
【参考】 霊枢「五癃津液別(36)」
心爲之主,耳爲之聽,目爲之候,
肺爲之相,
肝爲之將,
脾爲之衞,
腎爲之主外。
3 件のコメント:
そもそも五蔵六腑陰陽表裏という篇名で,蔵と府が連れ合いであって,だから陰経脈と陽経脈が表裏をなす,といったあとに,どうして蔵の状態を知るために肩や䯏骨を見ろなんて段が続くのか,なんです。
唯一,脾の主が胃であって,だから糧を迎えさせ,だから唇舌を視ろというのは,わからんでもない。ひょっとすると,『霊枢』の編者が五癃津液別の文章をみて,師伝の胃を衛に改め(中国語では同じ音),同時に他の蔵にも有る似たような句を補っちゃったんと違うか!?です。
まあ,そこまで文字、文章を変えて訓むわけにはいかんわなあ。
『甲乙経』五蔵六腑陰陽表裏の
肺・心・肝は、『霊枢』師伝からの引用、脾・腎は、『霊枢』五蔵津液別からの引用です。
だから何、という訳ではないですが、
『甲乙経』五蔵六腑陰陽表裏が掲げる五蔵の候うものにも違いがあります。
肺・心・肝は、身体の場所を候っていますが、
脾・腎は、好悪を診ています。
このあたりに、何らかの意味を見いだしていたのか、それとも偶然なのか。
だから、脾は「衞」で、腎は「外」なのか。
細かすぎますかね。
???の感じです。
五癃津液別もそうですが、蔵の記述は必ず5つセットにしないとだめなのかと思いました。
五癃津液別の肝、脾、(腎も?)は書かなくても意味が通じるような気がします。
なので『甲乙経』五藏六府陰陽表裏でも本当に必要なのは「脾主爲胃」で、これに近い経文が師傳にあったから、セットで引っ張ってきたとか・・・
または、全く違う発想ですが、身体の「表」から中の蔵を伺うということで、表裏?
完全に妄想です。
ところで、「主」の字の使い方で疑問があるのですが、またどこかでお尋ねします。
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