○『東洋医学概論』(1993) p.157
近代になり,「本治法」と「標治法」という用語が生まれた。……。このような経絡の虚実にたいする補瀉の法を本治法と呼び、それ以外の症状にたいする対症療法的治療を標治法とするのは,経絡治療独特の概念である。
○『新版 東洋医学概論』第1版第1刷(2015.4)p.17
本治法と標治法 :標本に関連して本治法と標治法という言葉が使われることがあるが,これは昭和になって生まれたいわゆる経絡治療という学派の用語で,経絡の虚実に対する補瀉の法を本治法とし,それ以外の症状に対する対症療法的治療を標治法とする独特の概念である。
・訂正(2015.6)
上記赤文字
→ 精気の虚を補うことと,それに伴う関連臓腑経絡への実熱の波及に対する補瀉を本治法とし,患者の主訴などに対して局所を補瀉することを標治法という。
・第1版第2刷(2016.3)
本治法と標治法 :標本に関連して本治法と標治法という言葉が使われることがある。精気の虚を補うことと,それに伴う関連臓腑経絡への実熱の波及に対する補瀉を本治法とし,患者の主訴などに対して局所を補瀉することを標治法という。
【感想】
2015.6の訂正に,経絡治療学会以外の経絡治療系諸団体は納得できるのだろうか?
第1版第2刷では、「これは昭和になって生まれたいわゆる経絡治療という学派の用語で,」が削除されている。本治法と標治法の一般的説明として,経絡治療以外の人々は納得できるのだろうか?
「経絡治療学会では,本治法と標治法を……と定義している。」と記載したほうが,明確でいいと思うのだが……
1 件のコメント:
経絡治療家も、経絡治療学会会員も、それ以外の臨床家も、よくわかっていないのが
現状ではないでしょうか。
だから、何も言わない、そんなところかも知れません。
だって、昭和の大家が意味する「虚実」について、真剣に考えたことのある人などごく一部でしょうからね。
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