2012年8月9日木曜日

中国語の勧め

やっぱり中国語にも,慣れたほうが良いですよ。というか,そのほうが得です。なんと言っても安い。それにそもそも日本語のものなんて,待ってたってなかなか出ない。例えば,『素問』『霊枢』の解説なんて,中国では続々と出ている。最近,またまた盛んです。入門書から専題研究まで。でも,翻訳された解説書なんて,『中医臨床』を出している東洋学術出版社のものくらいでしょう。その原書も,まあまあ代表的な本だったんだけれど,当時としてももっと面白そうな本は有った。例えば『霊枢』なら,郭靄春編著の『黄帝内経霊枢校注語訳』(天津科学技術出版社)とか,河北医学院校釈の『霊枢経校釈』(人民衛生出版社)とか。この『霊枢経校釈』の主編も実は郭靄春先生なんです。どういうことかというと,『校釈』は国家主導の共同作業なんです。衆智を聚めたダイジョーブな本です。この後にさらに同じような趣旨の『校注』のシリーズが有ります。郭先生は,今度は天津中医学院の先生方を率いて,『素問校注』の主編です。他の『太素』や『甲乙経』や『難経』も勿論有ります。ただ,『霊枢経校注』は未だに有りません。インターネットを駆使して僅かに得られた情報では,ひょっとすると主編と審定人員の間で意見の対立でも有ったんじゃないか。同様なことは,ひょっとすると常日頃から有って,だから,『霊枢経校釈』とほぼ同時期に,『黄帝内経霊枢校注語訳』も有る。こちらは,郭先生の好きなように書ける。著者の個性が露わです。オモシロイ。で,だから『校注語訳』の大胆さが好きという人もいる。でも,『校釈』のほうは普通に復刊,増刷されてきたみたいだけれど,『校注語訳』は長らく絶版(?)で入手困難でした。最近になって,貴州教育出版社という,別のところから,装いを新たに出ています。こういう情報を得ても,翻訳待ちではどうにもならない。やっぱり,辞書を片手に勝手に読み始めたほうがいいですよ。我々の仲間はみんなそうでした。

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