2014年5月5日月曜日

王冰次注

 王冰次注について,『中国医学の歴史』(傅維康主編,東洋学術出版社)p.234に,「『素問』注解の試みとしては,同書に先駆けて全元起による業績がある。したがって同書はまた『次注』とも称される。」との記載がある。
 これによれば「次注」とは「全元起の次に行なった第二番目の注」という意味である。
 全元起の注を1番目だとすると,2番目は『太素』の楊上善注で,王冰注は3番目ではないだろうか。

 「次」には動詞として「順序に並べる」という意味がある。
 王洪図氏は『王洪図 内経講稿』(2008,人民衛生出版社)の中で,「这个书的名字叫做《黄帝内经素问》又注明是王冰注,就是王冰编排次序,加以注解。」といっている。
 たぶんこちらのほうが正しいのではないだろうか。

3 件のコメント:

神麹斎 さんのコメント...

これはどちらも有りうるとは思うけど,わたしだったら,前にやった人が二人いると認識していたら,「次」には動詞として「順序に並べる」という意味が有るとしても,「次注」と称するのは避けただろうと思う。

そもそも次注というのは,王冰がそう宣明したのか,後代の人がそのように整理したのか。

また言い換えれば,『太素』の楊上善注を『素問』の注解と認識していたのか。

十駕 さんのコメント...

 林億らによる「重広補注黄帝内経素問」序に,「次注」ということばがみえるのですが,前文からの流れからすると,全元起の「次の注」といっているように感じます。 

十駕 さんのコメント...

 「重広補注黄帝内経素問」序の「次注」について,『黄帝内経素問 白話解』(王洪図 主編)は「编次注释」としています。やはり王洪図氏は「順序にしたがって配列する」という理解です。
 『黄帝内経素問 語訳』(郭靄春 主編)や『黄帝内経素問 校注語訳』(郭靄春 編著)などを調べてみましたが,残念ながら新校正序は,現代語訳されていません。

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