『新版 東洋医学概論』p.27
『素問』四氣調神大論篇第二「聖人不治已病、治未病、不治已亂、治未亂、……」(聖人は已病を治さず、未病を治す、已乱を治さず、未乱を治す、……)
「治す」を〔なお・す〕と読むのならば,四段活用「さ/し/す/す/せ/せ」なので,「治さず」のままで正しい。しかし,「未病を治(なお)す」とは言っても,「未乱を治(なお)す」とは言わないだろう。
おそらく執筆者は,「治す」を〔チ・す〕と読ませたいのだろう。その場合,〔チ・す〕はサ変活用〔せ/し/す/する/すれ/せよ〕なので,「治さず」ではなく「治せず」ではないだろうか。
旧教科書、および『現代語訳◎黄帝内経素問』(東洋学術)も,「治さず」と訓んでいるが,こういう言いかたもあるのだろうか。
4 件のコメント:
「治」は,漢和辞典によると「おさ・む」と読むのが一般的のようです。が,教科書は「治さず」「治す」と仮名を振っているので,「チ・す」または「なお・す」と読んでいるようです。
「治」を訓読で「おさ・む」と読むのか「なお・す」と読むのかは,好みの問題だと思いますが,その判断(日本語の使い分け)を避けるために,音読みで読む(「チ・す」)こともできます。
治未乱は、未乱の状態の時に調整する、ならば「未乱に治ちす」であって「未乱を」ではないでしょう
不治已乱は、已乱の状態になったならば調整しない、ならば「已乱に治ちせず」であって「已乱を」ではないでしょう。
どうでしょうか。
「未乱に治(ち)す」と「已乱に治(ち)せず」ですよね。( )に入れたのはフリガナのつもり。
あんまり和訓には関心が無いんで,自信も無いけれど,
「已乱という状態になった“時”には治療したりせず」
なのか,それとも,
「已乱という状態になってしまった“もの”を治療したりせず」
なのか,
どっちなんでしょう。
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