2013年3月21日木曜日

『中医古籍校読法例析』 001 下4~

001 下4~002 L16

二.なぜ校読法を運用することが必要か

 俗語で「品物を見分けることができないのは恐くないが,品物を比べられるのは恐い」というが,科学的なことばでいえば「比較して初めて鑑別ができる」ということである。つまり比較は物事の性質を認識する重要な方法である。
 その他の物事を認識するのもそうであるし,書物を読むときにその書の関連問題を認識するのもそうである。古籍のある問題についてさらに深く認識したければ,関連資料を手に取って比較検討を行なう必要がある。
 例をひとつ挙げてみよう。

【例1】
中国医学最古の経典『黄帝内経』はなぜ『内経』とよぶのか。
呉崑(15521620)は『素問注』で「五内〔※〕の陰陽を内といい,万世の宗法〔手本〕を経という」と解釈する。〔 ※ 五 … 五,指内心。《漢典》 〕
張景岳(15631640)は『類経』の始めで,まず「内経」という二文字について「内とは生命の道義・道理であり,経とは道義・道理を載せた書のことである」と解釈をしている。彼は,いわゆる『内経』とは生命の道義・道理を記載した書のことであると考えた。
『内経』の内容からいえば,これらの言い方はどちらも道理があり筋が通るように思われる。しかし,筋が通ることが必ずしも正確ということではない。この問題をより深く理解するためには,さらに関連資料を探して比較検討を行なう必要がある。
最も早く『黄帝内経』の名を記載したのは『漢書』芸文志である。『漢書』芸文志の中には,『黄帝内経』だけでなく『黄帝外経』の文字も見られる。そのほかに『扁鵲内経』『扁鵲外経』『白氏内経』『白氏外経』『白氏旁』などの書名があり,医経の類は全部で7つである(図例1参照)。『内経』だけでなく『外経』もあり,『外経』だけでなく『旁』もある。

2 件のコメント:

唐辺睦 さんのコメント...

俗にいうという「不怕不識貨,就怕貨比貨」の意味が,なさけないがよく分からない。
怕を,恐れるじゃなくて,心配する,気にかかるくらいに解して,「それが何だかはそう気にかからないが(あるいは,それが何なのかは知れてあるが),他と比べてどれほどのものなのかは気にかかる(あるいは,何とどう比較すべきかは気にかかる)」じゃなかろうか。
ことわざみたいな口調にしたいところだけど,いや難しい。

十駕 さんのコメント...

このことばはよく広告で見た印象があるので,商品を売る側が自社製品に自信を持っているときに使うキャッチコピーだとこれまで思っていました。
 そうすると今回の訳は合わないわけで,頭を悩ませたのですがお手上げでした。
 他の場面での使い方は知りませんが,広告の場合では,「不識貨」「貨比貨」するのは「他人(客)」です。
 
 中国人の中にもいろいろ解釈があるようで,人により理解が違うようです。

「百度知道」には“不怕不识货,就怕货比货什么意思?”とか“不怕不识货,就怕货比货と不怕货比货,就怕不识货との違いは?”といった質問とそれへの回答が載っています。

http://zhidao.baidu.com/question/106521201.html
提问者评价:大家回答的非常好,这两句话感觉每个人的想法都有区别。

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